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山口離婚相談は弁護士法人牛見総合法律事務所へ

婚姻費用分担請求(別居中の生活費の請求)について

 

離婚前には夫婦が別居するケースが多いですが、専業主婦の方などは、別居すると、夫から生活費を支払ってもらえなくなり、たちまち生活に困ってしまうこともあります。

生活費の不安で、別居も離婚も進められないというお悩みを抱えた方も多いです。

夫婦は、たとえ別居していても、お互いに生活費を分担すべき義務を負っています。
今回は、夫婦の生活費分担義務である「婚姻費用」について、山口の弁護士が解説します。

1.婚姻費用とは

婚姻費用とは、夫婦がお互いに負担すべき生活費のことです。

民法上、夫婦はお互いに扶助し合うべき義務を負っており、生活費についても互いに負担し合わなければならないとされています(民法720条)。

そして、夫婦の婚姻費用分担義務は、「相手にも自分と同じくらいの生活レベルを維持すべき義務」です。単に「自分に余裕があったら相手を援助すべき義務」よりも高いレベルでの扶養や援助を要求されます。

また、婚姻費用には、子どもの養育にかかる費用も含まれるので、婚姻費用を受け取る側が子どもを監護していると、婚姻費用の金額はより高額になります。

そこで、離婚前に別居したときには、収入の少ない側は相手に対し、婚姻費用の請求ができます。別居していなくても(同居中でも)、夫婦が不仲になって相手が生活費を入れてくれなくなったら、婚姻費用分担請求ができますし、調停や審判をすることもできます。

2.婚姻費用の相場

相手に婚姻費用を請求するとき、具体的にどのくらいの金額を請求できるのでしょうか?

婚姻費用の金額は、当事者の収入状況や子供の有無、人数、年齢によって異なります。
支払う側の収入が高ければ婚姻費用の金額は上がりますし、支払いを受ける側の収入が高ければ、婚姻費用の金額は下がります。

支払いを受ける側が未成年の子どもを養育していたら、子どもの分婚姻費用が増額されますし、子どもの人数が増えると、やはり婚姻費用が上がります。また、子どもの年齢が15歳以上になると、養育に費用がかかるようになるので、婚姻費用が上がります。

婚姻費用の金額は、当事者が話合いで決めることとなりますが、「婚姻費用算定表」を参考に決める場合もあります。

婚姻費用の算定表は、家庭裁判所が採用している基準であり、家庭裁判所で婚姻費用の取り決めをするときにも、使われます。

3.婚姻費用の請求方法

3-1.別居前に話合いで取り決める

婚姻費用を要求するときには、できる限り別居前に取り決めをしておくべきです。そうすれば、別居後に生活費をもらえない期間が発生せず、安心して生活できます。

話合いの際には、上記でご紹介した算定表を提示して、それに沿って金額を決めると良いでしょう。合意内容は、書面に残しておくべきです。

3-2.婚姻費用分担調停をする

しかし、別居前に請求をしても相手が支払いに応じないことがありますし、金額的に折り合いがつかないこともあるでしょう。

そのようなときには、家庭裁判所で、「婚姻費用分担調停」を申し立てます。

婚姻費用分担調停をすると、家庭裁判所の調停委員に間に入ってもらって婚姻費用の話合いをすすめることができます。

このとき、調停委員が婚姻費用の法的な支払い義務や支払い基準についても相手に説明してくれるので、かたくなだった相手も支払いに応じることが多いです。

3-3.婚姻費用分担審判で、婚姻費用を決定してもらう

調停でも合意できない場合には、調停の手続きが「審判」に移ります。審判になると、裁判官が、夫婦の収入状況や子どもの養育状況などを見て、妥当な婚姻費用の金額を決定し、相手に支払い命令を出します。

相手が審判に従わない場合には、相手の給料や預貯金などを差し押さえることも可能です。特に、給料を差し押さえると、その後毎月会社から直接婚姻費用(差し押さえた分)を支払ってもらえるので、非常に効果的です。

3-4.早く申し立てる方が、得になる

婚姻費用分担調停や審判を申し立てると、支払いを受けられるまでに数か月の時間がかかります。調停や審判が出たとき、過去の分の未払いの婚姻費用も請求できますが、その計算は「婚姻費用分担調停を申し立てた時」からとなることが通常です。

つまり、調停申立前の期間の未払い分は、後から請求できなくなってしまうということです。そこで、婚姻費用を払ってもらえないのであれば、なるべく早めに婚姻費用分担調停を申し立てましょう。

4.婚姻費用の仮払いについて

婚姻費用分担をしても、決定するまでの間の生活費が足りず、困ってしまう例もあります。

そのようなときには、「婚姻費用仮払い」を請求する方法により、先に一定額の支払いをしてもらうことができます。

調停を申し立てるときには、「調停前の処分」により、裁判所(調停委員会)から相手に一時的な婚姻費用の支払い命令を出してもらえます。ただし、この命令には、強制執行力がありません。

審判を申し立てた後には、「審判前の保全処分」を利用することができます。この場合、裁判所が相手に法的な支払い命令を出してくれるので、相手が支払わない場合には、強制執行も可能です。

審判前の保全処分で婚姻費用の仮払いを認めてもらうには、婚姻費用分担請求の審判で、仮払いを求める金額を超える婚姻費用が認められる蓋然性が高いことと、生活上における差し迫った必要性などについて、主張・立証する必要があります。

以上のように、離婚前、別居中の段階でも、婚姻費用の請求ができますし、請求するのであれば、なるべく早く手続きする方が有利です。

山口で婚姻費用分担請求をされたい場合や、反対に、請求されて対応に困っている場合には、一度弁護士までご相談ください。

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